号砲とともに始まったレースは、スタート直後の位置取り争いから静かな火花が散る展開となりました。号砲直後に先頭誘導員の後位を確保したのは中団を狙うライン。互いの出方をうかがう心理戦が続くなか、レースが大きく動いたのは打鐘(ジャン)が鳴り響いた残り1周半のバックストレッチでした。
先行逃げ切りを図るラインが強烈なピッチで前を叩きに出たのに対し、後方に控えていた本命候補は冷静に車間を切って脚力を温存。最終ホームストレッチで一気に加速する先行争いの中、勝負を決めたのは最終バックからの鋭敏な捲り(まくり)でした。インコースの厳しいブロックをミリ単位の車体コントロールで交わし、直線コースで鮮やかに突き抜ける圧巻のレース結果ダイジェストとなりました。
勝利を手にした王者は、レース後の公式インタビューおよび優勝会見で次のように胸中を明かしています。「道中は一切の迷いを捨て、ラインを組んだ仲間の動きと風の流れだけに集中していました。ゴール線を通過した瞬間は頭が真っ白になりましたが、積み重ねてきた練習が結実したと確信しています」。この冷静沈着な状況判断こそが、紙一重の勝負を分けた最大の勝因です。