読売ジャイアンツの指揮官交代の季節が訪れるたびに、スポーツ紙の紙面を賑わせてきたのが「江川卓・巨人監督待望論」でした。原辰徳政権の節目や阿部慎之助監督の就任前夜に至るまで、常に下馬評の上位に名前が浮上し続けてきました。しかし、江川氏本人がユニフォームを着て現場復帰する可能性は、現在極めて低いと見るのが球界関係者の一致した見解です。
江川氏自身、過去の対談番組等で「監督という仕事は、球団組織全体や選手の生活すべてを背負うもの。自分のように外から自由に野球を見て、客観的に評価する人間が一人くらい球界にいてもいい」という趣旨の発言を繰り返しています。32歳という若さで電撃引退を決断した当時の潔さ同様、名誉職や権力争いに執着しないクールな美学が根底にあります。
私生活に目を向けると、1981年に結婚した妻・正子夫人との間に一男一女をもうけ、家庭生活は極めて穏やかです。東京都内の閑静な高級住宅街に構える自宅を生活拠点とし、過度なメディア露出を避けて家族との時間を最優先に過ごしています。かつて長男が日本テレビに勤務していると報じられた際にも、親の七光りを排して見守る姿勢を貫くなど、家庭人としての規律ある立ち居振る舞いは近隣住民や関係者の間でも高く評価されています。