『丹波に出雲といふ所あり』現代語訳と品詞分解!聖海上人のオチと教訓

『丹波に出雲といふ所あり』現代語訳と品詞分解!聖海上人のオチと教訓

『丹波に出雲といふ所あり』現代語訳と品詞分解!聖海上人のオチと教訓の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

教育情報サイトや知恵袋等のQ&Aコミュニティでは、本段に関して毎年定期テストシーズンになると同じような質問が殺到します。多くの読者がどこでつまずき、何を疑問に思っているのかを検証します。

「島根の出雲大社」と「丹波の出雲神社」の混同

最も多い誤解の一つが、舞台となっている神社に関するものです。冒頭の「丹波に出雲といふ所あり。大社を移して、めでたく造れり」を読んだ中高生の多くが、「島根県にある出雲大社そのものの話」と勘違いしてしまいます。

実際には、現在の京都府亀岡市千歳町にある「出雲大神宮(いずもだいじんぐう)」が舞台です。社伝や丹波国の伝承によると、出雲大神宮は「元出雲」とも称され、島根の出雲大社へ大国主命を分霊(勧請)したとも、逆に島根から分霊を迎えたとも伝えられる由緒ある古社です。兼好法師の時代にも京都近郊の名所として知られており、都人たちが手軽に行ける小旅行・参詣地として賑わっていました。

「かいもちひ(ぼたもち)」で人を釣る上人の俗物感

知恵袋などで「聖海上人は立派な高僧なのか、それとも変な人なのか」という疑問がよく見られます。冒頭で上人は「出雲拝みにいざ給へ。かいもちひ召させん(出雲参拝に行きましょう。ぼたもちをごちそうしますから)」と人々を誘っています。

「かいもちひ(かいもちひ=掻餅、ぼたもち・おはぎのこと)」は、『宇治拾遺物語』の「児のそら寝」などにも登場する当時のごちそうです。宗教的な尊い巡礼であるはずなのに、「甘いお菓子をごちそうするから一緒に行こう」と人を釣っている点に、上人の愛嬌と同時に、どこか軽薄で世俗的なキャラクターが滲み出ています。この導入部があるからこそ、後半の尊大な態度とオチの落差が際立つのです。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。