1982年8月21日に発売された「三年目の浮気」は、累計売上130万枚以上を記録し、オリコン週間シングルチャートで3週連続1位を獲得する爆発的ヒットを記録しました。当時の歌謡界において、男女の浮気という極めて生々しいテーマを、これほどまでにコミカルかつ小気味よいテンポで表現した楽曲は極めて異例でした。
この名曲の生みの親は、数々のヒット曲を世に送り出したシンガーソングライターの故・佐々木勉氏です。佐々木氏は当時の男女交際における「慣れ」や「甘え」、そして男の身勝手な言い訳とそれを見透かす女性の冷徹な視線を徹底的に観察し、わずか数時間で歌詞の骨格を書き上げたと伝えられています。冒頭の「馬鹿いってんじゃないよ」という強烈なフレーズは、理屈を並べる男性を一刀両断するリアリティを持ち、当時のリスナーに強烈なインパクトを与えました。
曲中における男女の掛け合いは、まさに心理戦そのものです。開き直る男と、嘘を暴きながらもどこか情を残す女の心理劇は、カラオケ文化の普及期とも見事に合致しました。誰もが歌いやすい音域設定とドラマ仕立ての構成によって、全国のスナックやカラオケボックスで定番のデュエット曲として不動の地位を確立したのです。