ナスと肉だねを接着剤のように強固に結びつける立役者がでんぷん粉ですが、現場検証において最も誤解が多いのがナスの肉詰め片栗粉の正しい付け方です。「剥がれるのが怖いから」とナスが見えなくなるほど片栗粉を真っ白に厚塗りすると、粉自体が水分を吸ってダマになり、加熱中にペースト状の層となって肉ごとツルリと滑り落ちます。
目指すべきは、ナスと肉だねの水分を利用して極薄い糊(のり)の膜を作る「糊化密着」です。プロの厨房でも実践されているナスの肉詰めはがれない裏技の確実な手順は以下の通りです。
【剥離を防ぐ接着ステップ】
1. 切れ目を入れて水気を拭いたナスの接着面に、茶こしを使って片栗粉を均一に薄く振りかける。
2. 余分な粉はナスを逆さにしてトントンと叩き落とし、うっすらと粉をまとった半透明の状態にする。
3. ひき肉だねをナスのくぼみに乗せたら、指の腹を使って中央だけでなくナスのヘリ(縁)のカーブに肉を巻き込むように押し込む。
4. 表面を平らに成形し、中央をわずかに窪ませて熱の通りを均一にする。
この「縁までしっかり肉を密着させる」という微細な手の動きひとつで、加熱によって肉が縮んだ際もナスが肉を抱え込む形状がキープされ、フライパンを揺すってもビクともしない強固な結合が生まれます。