再就職手当の申請件数が毎年10万件を超えている裏で、ハローワークの相談窓口やSNS、転職相談掲示板には痛切な後悔を吐露する声が日々寄せられています。編集部が転職経験者へのヒアリングやネット上の実態調査を行ったところ、受給後に直面する過酷な現実が浮き彫りになりました。
知恵袋やコミュニティ掲示板で目立つのは、「手当の給付要件を満たすために内定を急ぎすぎた」という後悔です。
「残日数が3分の2を切る前に内定を承諾しなければ支給率が70%から60%へ落ちてしまうという焦りから、労働条件や社風の怪しい企業に飛びついてしまった。手当として約35万円が振り込まれたのは嬉しかったが、入社した現場は完全なブラック環境。毎日深夜まで残業させられ、試用期間の3か月目で適応障害を発症して退職した。しかし、前職からの被保険者期間はリセットされていたため、雇用保険の基本手当は一切受給できず、貯金を切り崩して途方に暮れることになった」(30代前半・元IT営業職の手記より)
こうした事態は決して珍しい例外ではありません。再就職手当の支給には「1年を超えて勤務することが確実であること」という要件が課されていますが、実態として入社後3か月以内に離職してしまう転職者は一定割合で存在します。ハローワーク側の審査を通過して一時金を手に入れても、肝心の職場で長く働き続けられなければ、精神的・経済的なダメージは給付金額をはるかに上回ってしまいます。