1970年代末、『週刊少年サンデー』(小学館)誌上で連載が始まった『うる星やつら』は、それまでの漫画表現の常識を鮮やかに塗り替えた。地球に舞い降りた鬼族の少女・ラムが身にまとう虎柄のビキニ姿は、日本のキャラクターデザインにおける歴史的転換点と言っても過言ではない。
高橋留美子が描く水着姿の造形美は、露骨な性愛描写とは一線を画す。健康的でありながら、どこか甘やかでポップ。グラフィカルな波模様や鮮烈な色使い、しなやかなボディラインの曲線は、一目で「高橋留美子の世界」だとわかる強烈なアイデンティティを持っていた。当時の少年漫画において、ヒロインの水着イラストは一過性のグラビア的企画になりがちだったが、彼女はそれを作品のアイデンティティそのものへと昇華させたのだ。