「ツンツン、ツンツン」——独特のリズムとともに繰り出された指先が壊したのは、商品のおでんだけではなかった。事件が発覚した直後から、ネット上では特定班による個人のプライバシー特定が加熱。名前、住所、家族構成、経営していた店舗の場所までもが白日のもとに晒され、正義感をこじらせた一般人からの嫌がらせ電話や直接的な嫌がらせが殺到した。
当時の報道過熱ぶりは凄まじかった。連日テレビのニュース番組が動画をリピート再生し、コメンテーターたちが道徳的欠如を非難。SNSの拡散力が持つ「個人の人生を一夜にして破壊する威力」を、日本中が嫌というほど見せつけられた瞬間だった。