術後患者の受け入れ準備は、手術終了の一報が入る前、すなわち患者が入室してから手術が進行している間に完了させておくのが鉄則です。緊急の帰室要請にも動じない確実なセットアップが求められます。
まず把握すべきは術後ベッドの必要物品です。病棟や術式により細かなバリエーションはありますが、以下の標準セットを過不足なく揃える必要があります。
【基本リネン類】
- マットレスパッド・下シーツ(大シーツ)
- 防水シーツ(吸水・ディスポタイプが主流)
- 横シーツ(引きシーツ):患者の体位変換や移乗介助に使用
- 上シーツ・包布・掛け布団・枕
【医療機器・観察用具】
- 生体情報モニター(心電図、SpO2、非観血的血圧計)
- 酸素吸入設備(流量計、配管接続、酸素マスクまたは経鼻カニューレ)
- 吸引設備(吸引ビン、吸引カテーテル、接続チューブ、イリゲーション用水)
- 輸液ポンプ・シリンジポンプ
- 点滴スタンド(ベッド連結型または自立型)
- 汚物受け(ガーグルベースン)、吸水ポリマーシート、膿盆
- 体温計、聴診器、ペンライト、アルコール消毒綿
続いて、具体的な術後ベッド作成の手順を段階ごとに進めます。まず、ベッドフレーム全体のアルコール清拭を行い、環境の清潔を保持します。下シーツを中心線に合わせて広げ、頭側から足側へピンと張った状態でマットレス下へ巻き込みます。この際、角部には後述する「三角コーナー」を確実に作ります。
腰部に当たる位置へ防水シーツ、その上に横シーツを重ねて敷き込み、患者の体幹移動を支えられるよう両端をマットレス下に深く入れ込みます。上寝具(上シーツと掛け布団)は、患者のストレッチャーからの移乗を妨げないよう、搬入側と反対側(通常は壁側)へ屏風畳み(蛇腹折り)にして寄せておきます。
最後に、ベッド周囲の空間を確保します。ストレッチャーを横付けできるようオーバーベッドテーブルや椅子を退避させ、点滴スタンドや吸引器のコード類が導線を塞がないよう整線することが事故防止の要です。