就職活動や転職市場において、この「写真の裏書き」を巡ってはネット上の知恵袋やSNS上で数多くの切実な疑問が交わされている。当編集部が収集したリアルな投稿傾向と、それに対する現場の人事関係者の証言を突き合わせると、実態が浮き彫りになってくる。
知恵袋やコミュニティ掲示板で最も多く見られるのは、「裏に名前を書き忘れて投函してしまった。これが原因で書類選考に落とされることはあるか」という焦燥の声だ。また、「写真館で裏にシール加工がされている場合、剥がして書くべきなのか」「ボールペンで書いたら表に名前の跡がくっきり残ってしまい絶望している」といった失敗談も後を絶たない。
これに対し、上場企業から中堅ベンチャーまで数百社の人事支援を手がける採用コンサルタントは次のように証言する。「写真の裏書きがなかったという事実単体をもって、即座に不合格判定を下す企業はまずありません。人事が合否を決める本質は職務適性や志望動機、人物像です。ただし、書類を複数人で回覧する際、ポロリと写真が落ちて誰のものか分からなくなったとき、裏に名前があれば『助かった、しっかりした応募者だ』と好印象に転じますが、白紙だった場合は『この忙しい選考期間に照合作業という余計な工数を作らされた』というネガティブな印象が残る。この微差が、ボーダーライン上の当落を分けることは十分にあり得ます」。
アルバイト応募の場合、書類選考のプロセスが簡略化されているケースが多く、その場で面接官が履歴書を受け取って即日採否を決めることも珍しくない。しかし、バイトであっても採用後に店長が本部へ書類を郵送・送付する義務を負っている店舗では、書類輸送時の写真剥落リスクは正社員採用と全く同じ構図になる。「バイトだから手を抜いていい」という認識は、現場視点からすればリスク要因でしかない。