作者である尾田栄一郎氏の常軌を逸した伏線構成力には、改めて感嘆せざるを得ない。『週刊少年ジャンプ』の誌面を長年牽引してきた王道の少年漫画でありながら、これほどまでに重厚で奥深いバトル・ファンタジーの世界観を構築し続ける手腕は群を抜いている。
連載初期の何気ない日常描写や背景の描き込みが、数十年後の現在において決定的な意味を持つ事例は枚挙に暇がない。単なる格闘劇にとどまらず、自由、歴史の改ざん、世界の構造といった深遠なテーマを極上のエンターテインメントへと昇華させる力こそが、世界中のファンを魅了し続ける理由だ。