姉妹漫才コンビ「海原千里・万里」の妹・千里として、10代で上方お笑い界の頂点に登りつめた上沼恵美子。彼女の人生が大きく動いたのは、関西テレビ放送の若手ディレクターだった上沼真平氏との出会いだった。担当番組の打ち合わせや現場での交流を通じて惹かれ合い、22歳という若さでゴールイン。周囲の猛反対を押し切り、芸能界をきっぱりと退いて専業主婦になる道を選んだ。
当時の関西財界・文化人の家系に連なる上沼家への嫁入りは、旧態依然とした家父長制の重圧と隣り合わせだった。華やかなスポットライトから一転、厳格な家庭環境と過酷な嫁姑関係に直面した日々。「芸能界の仕事しか知らなかった少女」が強いられた孤立無援の生活は、後に彼女が語るトークの原体験となっていく。