大学卒業後、柏原は名門・富士通陸上競技部へと進んだ。実業団という新たな舞台で、ファンはさらなる飛躍を期待したが、そこには怪我との闘いという試練が待ち受けていた。環境の変化や度重なる故障により、大学時代のようなパフォーマンスを発揮できない苦しい日々が続く。
それでも柏原は下を向くことなく、主戦場をマラソンやトラック種目に移しながら愚直に走り続けた。そして2017年、27歳という若さで現役引退を決断。未練を残さず潔く一線を退く姿勢は、彼の美学そのものだった。引退後も同社の社業に励みつつ、スポーツの価値を広く伝える活動へとシフトしていった。