河内の革新性は、古典の再現だけに留まらない。2012年から国内外を巡回し、累計数十万人を動員した「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」において、河内一門が手掛けた「ロンギヌスの槍」や刀剣作品は、カルチャー界に強烈なインパクトを与えた。
アニメの世界観を現代最高の鍛刀技術で立体化するという前代未聞の試みに対し、伝統派からの反発を恐れる声もあった。だが河内は「いまの若者が本物の鉄の美しさに触れるきっかけになるなら、喜んで挑む」と断言。螺旋を描く複雑怪奇なフォルムを、一切の妥協なく鍛造技術のみで打ち出した。この挑戦は、硬直化しがちだった日本刀美術の枠組みを打ち破り、アニメファンのみならず世界中の現代アート愛好家へ、日本の職人技の凄みを再認識させる契機となった。