水曜日のカンパネラを語る上で欠かせないのが、ボーカルの交代劇とそれぞれが放つカリスマ性だ。初代主演・歌唱担当のコムアイは、鹿の解体ライブパフォーマンスや巨大なウォーターボールに入って客席を転がるなど、まさにアヴァンギャルドの体現者だった。彼女が醸し出すどこか浮世離れしたミステリアスな存在感は、ユニットの象徴的なパブリックイメージを確立した。
そして2021年、マイクを引き継いだ詩羽(うたは)の登場により、プロジェクトは新たな次元へと突入する。刈り上げと刈り上げを包む鮮やかなヘアスタイル、独特なファッションセンスを武器にする詩羽は、コムアイ時代のアンダーグラウンドでアーティスティックな空気感を継承しつつ、圧倒的なポップアイコンとしてのエネルギーを注ぎ込んだ。一見するとポップでキュート、しかしその奥に秘められた狂気的な表現力は、見事なまでに引き継がれている。