長年ファンの間でまことしやかに囁かれてきたのが、ZIGGY グロリア モデルの真相をめぐる諸説です。「森重樹一が学生時代に付き合っていた実在の女性の名前ではないか」「あるいはバーの外国人女性への想いを歌ったものか」など、ネット上では今なお憶測が飛び交っています。
しかし、森重樹一が過去の自著や特番インタビュー、ライブMCで語った一次情報を照らし合わせると、この疑問に対する答えは極めて明快です。
森重本人は、敬愛するロックの古典――例えばヴァン・モリソン率いるTHEMの名曲「Gloria」や、パティ・スミスがパンクの文脈で再解釈した「Gloria」など、ロック史に脈々と受け継がれてきた「GLORIA」という象徴的な言葉の響きに強いインスピレーションを受けたと明かしています。つまり、実在する一人の女性の名前をそのまま宛職にしたのではなく、「女性の姿を借りたロックンロールそのもの」、あるいはラテン語の原義である「栄光(Gloria)」への渇望を擬人化したメタファーであるというのが真相です。
この多重構造を理解したとき、歌詞中の「GLORIA」という呼びかけは、単なる恋人の名前から、不条理な現実に抗うすべての表現者が手に入れたい「魂の栄光」へとその解像度を一気に高めます。