パリやニューヨークの現代美術ギャラリーにおいて、ペガサスをはじめとする日本の複雑系折り紙は、今や彫刻やドローイングと同等のアートピースとして評価されている。「子どもの伝承遊び」という古臭いイメージは、完全に過去のものとなった。
世界中のコレクターを魅了してやまないのは、「一切のハサミを入れず、接着剤も使わない」という極限の制約美だ。削ぎ落とされたルールのなかで開花する数学的完璧さと、有機的な造形美の同居。ある海外のキュレーターはそれを「1枚の正方形に閉じ込められた三次元の小宇宙」と表現した。オークションサイトでは、気鋭の作家が折った限定作品が高値で競り落とされる事例ももはや珍しくない。