この世界を理解する上で欠かせないのが「ABDL」という概念です。ABDLとは、「Adult Baby(アダルトベビー)」と「Diaper Lover(ダイパーラバー)」の頭文字を組み合わせた国際的な総称を指します。外見上は同じようにおむつを愛用していても、内面的な動機は大きく2つに分かれます。
前者の「Adult Baby」は、哺乳瓶やおしゃぶり、よだれかけなどを用い、精神的・行動的に幼児の役割になりきることで安らぎを得る層です。後者の「Diaper Lover」は、おむつというプロダクトそのものの感触、カサカサとした擦れる音、厚み、デザインなどに純粋な魅力を感じる人々を指します。一方、エロティックな興奮を第一の目的とするおむつフェチ理由は、素材への執着(フェティシズム)や排泄にまつわるタブーの背徳感と結びつくケースが多く、心理的退行を主とするABDLとは微妙に領域が異なります。
ネット上の交流拠点として機能しているABDLコミュニティ実態を検証すると、SNSの鍵付きアカウントやクローズドなDiscordサーバー、専門の掲示板などを中心に情報共有が活発です。2024年から2026年にかけての傾向として、単なる性的興奮の共有よりも「どの製品が最も肌触りが良いか」「日々の仕事のプレッシャーをどうリセットしているか」といった、ウェルビーイングやメンタルヘルスに近い文脈での対話が増加しています。おむつ趣味ネットの反応を見ても、かつてのような全否定的な中傷一辺倒から、「他人に迷惑をかけないプライベートな領域なら理解できる」といった個人の尊厳を重んじる寛容な受け止め方が徐々に広がっています。