現代人がこの言葉に抱くおどろおどろしいイメージの多くは、昭和の映像作品に端を発している。特に横溝正史原作の映画『八つ墓村』などで描かれた「夜這い」の描写は強烈だった。閉鎖的な因習村、血塗られた惨劇、暴走する性的衝動――こうした劇的な演出が、大衆の脳裏に「夜這い=おぞましい前近代の悪習」という図式を決定づけた。
現在でもNHKオンデマンドで配信される歴史アーカイブや、Netflixで世界配信される日本のダークサスペンス作品において、村落の土俗的な暗部を象徴するギミックとして夜這いのモチーフが頻繁に引用されている。しかし、劇中のセンセーショナリズムと、泥にまみれて生きた先人たちの生活実感との間には、途方もない乖離が存在する。