営業終了から年月が経過した2026年現在、福岡市中央区天神3丁目の現地はどうなっているのでしょうか。かつてエントランス前にタクシーが列をなし、朝夕にはスーツ姿のビジネス客で賑わっていた敷地周辺は、解体工事を経てすっかり景色を一変させています。
現在、アークホテルロイヤル福岡天神の跡地は建物の地上部分が完全に撤去され、天神北エリアの新たな開発用途に向けた過渡期の風景が広がっています。一時は近隣のオフィス需要や天神地下街周辺の回遊客を見込んだ暫定的な利用も見られましたが、現在は天神ビッグバンの波及効果を受けた再開発計画の対象地として水面下の調整が進んでいます。親不孝通り(親富孝通り)の北側入り口、那の津通りに近接するこのエリアは、これまでの歓楽街・専門学校街のイメージから、最新の複合オフィスやレジデンス、先端ビジネスを担うスタートアップ拠点への脱皮を図る過渡期にあります。
現地を歩くと、かつてのロビーや宴会場の面影は微塵も残されていません。しかし、周辺の飲食店店主からは「学会や大型イベントのたびに泊まりがけで来てくれた常連さんが懐かしい」「あのホテルがなくなってから、天神北の夜の人の流れが一時的に変わった」といった証言が今も聞かれます。建物の物理的な痕跡は消滅しても、地域経済において同館が果たしていた役割の大きさは、街の記憶の中に色濃く刻まれています。