宮水神社の宮司を務める宮水一葉の年齢は作中(2013年時点)で82歳。糸守町の歴史と神事を一手に背負う、宮水家の家長です。娘の二葉を病気で亡くし、娘婿である宮水俊樹(三葉たちの父)が神職を捨てて町政へ出馬・家督を離れた後、残された孫の三葉と四葉を女手一つで育て上げました。
新海誠監督が明かした設定裏話によると、宮水神社は二百年前に起きた「繭五郎の大火」によって古文書や社記のすべてを焼失しています。そのため、なぜ組紐を編むのか、なぜ口噛み酒を奉納するのかという「文字通りの意味」は失われ、一葉自身も「形だけを残すこと」に専念してきました。この「意味は消えても形は残り、いつか訪れる災厄を防ぐ」という構造こそが、一葉が背負い続けた切なくも神聖な使命です。