京都の老舗うどん処や定食店が提供する衣笠丼の真骨頂は、口に含んだ瞬間に溢れ出る出汁の豊かな風味です。この上品で奥深い味わいを家庭で忠実に再現するためのベースとなるのが、出汁・みりん・薄口醤油を「8:1:1」で合わせる調合比率です。
関東風の丼もののように濃口醤油や多量の砂糖で甘辛く煮詰めるのではなく、昆布と削り節の合わせ出汁を主役に据え、薄口醤油でキリリと輪郭を整えます。具材本来の風味を引き立てる調合が、飽きのこない京都ならではの品格を漂わせます。
以下に、失敗なくプロの味を再現できる1人前の基本分量をまとめました。
- 温かいご飯:どんぶり1杯分(約200g)
- 油揚げ(できれば肉厚の京揚げ):大1/2枚〜1枚(約50g)
- 九条ネギ(または青ネギ):1本(約30g)
- 卵(M〜Lサイズ):2個
- 合わせ出汁(昆布+かつお):160ml
- みりん:20ml(大さじ1強)
- 薄口醤油:20ml(大さじ1強)
- 砂糖(上白糖):小さじ1/2(※甘みをやや残したい場合のみ)
- 仕上げ用(お好み):粉山椒、または七味唐辛子
美味しい作り方の第一歩は、油揚げの入念な下処理(油抜き)から始まります。油揚げに熱湯をたっぷりと回しかけ、ペーパータオルで挟んで余分な油と水分をしっかりと押し出します。このひと手間を省くと、揚げの古い油が出汁に溶け出し、重たくくどい後味になってしまいます。下処理を終えた油揚げは幅1cm、長さ4cmほどの短冊切りにし、九条ネギは1cm幅の斜め切りに揃えます。
小鍋または親子鍋に合わせ出汁、みりん、薄口醤油、砂糖を入れて中火にかけ、煮立ったら油揚げを投入します。弱めの中火で約2分間煮込み、油揚げの繊維の奥まで出汁をじゅわっと染み込ませたところで九条ネギを加え、シャキシャキとした食感を残すため30秒ほど軽く火を通します。