突然の不気味な横揺れはなぜ?縦揺れとの決定的な違いと命を守る最新対策を解説

突然の不気味な横揺れはなぜ?縦揺れとの決定的な違いと命を守る最新対策を解説

突然の不気味な横揺れはなぜ?縦揺れとの決定的な違いと命を守る最新対策を解説に関するポイントを徹底的にまとめました。詳細な解説をご確認ください。

地震が発生した際、私たちが体感する揺れには明確な物理法則が存在します。地下の断層が破壊された瞬間に生じる波動は、主に体積変化を伝える疎密波である「P波(Primary Wave)」と、形状変化を伝える剪断波である「S波(Secondary Wave)」の2種類に分かれて地殻を伝播します。

この2つの波の性質の違いこそが、縦揺れと横揺れの違いを生み出す根源です。P波の伝播速度は秒速約5〜7kmと極めて速く、地表に対して最初に上下方向の微細な振動をもたらします。これが「P波初期微動」です。一方、S波の伝播速度は秒速約3〜4kmとP波の半分程度にとどまりますが、進行方向に対して直角に大地を切り裂くように振動するため、破壊力の極めて大きい「S波主要動」、すなわち横揺れとなって襲いかかります。

P波が到達してからS波が到達するまでの時間差は「初期微動継続時間」と呼ばれ、震源地からの距離に比例して長くなります。震源が直近にある直下型地震では、初期微動と主要動がほぼ同時に襲来するため、ドカンと下から突き上げられた直後に猛烈な横揺れが重なります。対して、震源が遠い海溝型地震などでは、微かな初期微動の後に、ゆったりとした大きな横揺れが数分間にわたって持続する特徴があります。

建築構造力学の観点から見ると、日本の住宅やビルは鉛直荷重(上からの重力)に対しては極めて強固に設計されています。しかし、左右から水平に引っ張られる剪断力(せんだんりょく)に対しては、建物の接合部に過大なねじれを生じさせ、接合部の破断や倒壊を招きやすい性質を持ちます。つまり、「建物を物理的に破壊し、家具を薙ぎ倒す主犯はS波による横揺れ」であるという点が、地震工学における紛れもない事実です。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。