長年の集大成である『淡島百景』の完結と、第28回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞という快挙を経て、2026年現在の今日マチ子は、漫画家の枠を越えた総合的な美術家・表現者として円熟期を迎えています。
文芸作品の装画や絵本制作、新聞・雑誌でのイラストエッセイの連載を途切れることなく継続する一方で、近年は原画展や個展の開催にも積極的です。デジタル作画が一般化した現在にあっても、紙の上に置かれる水彩絵の具の滲み、鉛筆の筆圧といった物質的な「生身の痕跡」を重視する彼女の姿勢は、ギャラリー空間で実物を目にした鑑賞者に圧倒的な感動を与えています。
また、教育現場やトークイベント等を通じて自身の創作プロセスを発信する機会も増えており、Web発祥のインディペンデントな表現がいかにして普遍的な現代カルチャーの正典になり得るかを示す、生きた規範となっています。