厨房で繰り広げられるのは、肉という素材に対する求道者のごときアプローチだ。選び抜かれた赤身肉は、適切な期間をかけて旨味を凝縮させた後、強火の炭火で外側をカリッと焼き上げ、内部にはしっとりとしたロゼ色の水分を閉じ込める。ナイフを入れた瞬間にあふれ出る肉汁が、丁寧な仕込みの証拠だ。
さらに見逃せないのが、手間暇を惜しまず仕込まれる自家製のシャルキュトリーである。スパイスの調合から燻製のチップ選びまで計算し尽くされたパテやソーセージは、脂の融点が極めて低く、舌の上で滑らかにとろける。通称ジョセフの名で親しまれるこの空間では、肉料理の持つ野性味と洗練が奇跡的な調和を見せている。