誤用だらけの「眉をひそめる」真の意味とビジネスでの実践表現術

誤用だらけの「眉をひそめる」真の意味とビジネスでの実践表現術

誤用だらけの「眉をひそめる」真の意味とビジネスでの実践表現術の詳細解説をご紹介します。専門的な知識が詰まっています。

「ひそめる」という日本語の古層を探ると、中国の古典『荘子』に登場する故事成語「顰(ひそ)みに倣(なら)う」に行き着く。古代中国の絶世の美女・西施は、持病の胸痛に耐えかねて眉間に皺を寄せて歩いていた。その痛ましげな姿すら妖艶で美しかったため、村の醜女がその顰面(ひそみづら)を真似して歩いたところ、村人全員が気味悪がって逃げ出したという寓話だ。

ここから「顰蹙(ひんしゅく)を買う」という語が生まれたわけだが、「眉をひそめる」も根底にある情動は地続きである。ただ単に目くじらを立てているのではない。「いたたまれなさ」や「倫理的な違和感」が顔に漏れ出てしまう状態を指している。古典文学から脈々と受け継がれてきたこの表現は、人間の生理的な拒絶反応を捉えた極めて鋭利な観察眼の産物だ。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。