この疾患が世界的な知名度を得た契機は、間違いなく2017年の映画『ワンダー 君は太陽』だった。天才子役ジェイコブ・トレンブレイが特殊メイクを施して主人公オーガストを演じ、過酷ないじめに耐えながら居場所を見つける姿を描いたこのヒューマンドラマは、世界中で大ヒットを記録した。現在もNetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信プラットフォームで配信が続き、多くの人々に温かい涙を流させ続けている。
だが、映画のエンドロールが終わったあとも、当事者たちの人生は終わらない。劇中で描かれた温かなコミュニティの受容は、現実の世界ではそう簡単に手に入らないからだ。スクリーンの中の感動と、街頭で向けられる無遠慮な視線。その落差に苦しむ当事者や家族の声は、映像配信の普及によって知名度が高まった今だからこそ、より切実な響きを帯びている。