どれほどメディア環境が激変しても、司会を務めるタモリの飄々とした立ち振る舞いは変わらない。独特のテンポで繰り出されるオープニングトーク、サングラスの奥に宿る鋭い眼差し。アーティストの素顔をふとした一言で引き出すその話術は、数多ある日本のテレビ放送のなかでも唯一無二の求心力を誇る。
テレビ朝日本社スタジオは、独特の匂いと照明の熱気に包まれている。生放送のランプが赤く点灯した瞬間、タモリの「続いては〜」という合図とともに演奏へとなだれ込むあの刹那。リハーサル通りにはいかないハプニングすらも極上のエンターテインメントに昇華させてしまう現場のダイナミズムは、40年近くにわたり金曜21時を彩り続けてきた伝統の証だ。