「なぜあれほど賑わっていたプールが突然閉園に追い込まれたのか」という疑問に対し、市が下した判断の根底には避けて通れないインフラ老朽化と過大な財政負担が存在します。昭和から平成にかけて整備された公営レジャープールは、開設から数十年が経過し、コンクリート躯体のひび割れ、循環ろ過装置の機能不全、地下埋設配管からの大規模漏水など、致命的な劣化が連鎖していました。
福岡県田川市公式発表や議会報告によると、施設を安全基準に適合させた上で延命・改修する場合、概算で数億円を超える巨額の初期投資が必要と試算されました。さらに、年々高騰する光熱水費や薬品代、監視員をはじめとする人件費などの維持管理費が財政を強く圧迫。夏期のわずか1〜2カ月程度しか稼働しない施設に対し、少子高齢化と人口減少に直面する地方自治体がこれほどの財源を投じ続けることは、行政経営の観点から極めて困難と結論づけられました。