全身性エリテマトーデスの象徴的な皮膚症状として広く知られているのが蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)です。鼻根部を中心に、両側の頬にかけて蝶が羽を広げたような形状で左右対称に広がる紅斑を指します。
この蝶形紅斑には、他の皮膚疾患と見分けるための明確な特徴がいくつか存在します。最も特徴的なのは、「鼻唇溝(小鼻から口角へ伸びるほうれい線のくぼみ)」には赤みが出にくいという点です。脂漏性皮膚炎や酒さ(しゅさ)といった皮膚病ではほうれい線の溝まで赤くなることが多いため、この境界線は専門医が視診を行う際の大切な鑑別ポイントになります。
紅斑の隆起度合いや痛み・痒みには個人差がありますが、紫外線を浴びることで赤みが一気に悪化する傾向があります。また、顔面だけでなく、首筋や腕、背中などに円形の赤い発疹ができる「円板状(ディスコイド)紅斑」や、寒冷刺激によって指先が白や紫色に変色する「レイノー現象」を伴うことも少なくありません。