フィクションの世界でも、冷え切った夫婦の心理描写は鮮烈に描かれています。Netflixで話題を呼んだ映画『マリッジ・ストーリー』では、かつて愛し合っていた二人が、互いへの敬意を失い、弁護士を介した泥沼の対立へと堕ちていく過程が克明に描かれました。また、韓国ドラマ『夫婦の世界』が社会現象となった背景にも、裏切りと執着、そして関係性の崩壊が生む生々しい心理的葛藤への強い共感があります。
臨床心理学の視点で見れば、これらの作品に登場する人物たちは、自らの正当性を主張するあまり、相手の痛みに鈍感になっています。自分が被害者であるという意識が強すぎるあまり、パートナーへの加害性に気づけない心理状態は、現実の家庭内でも極めて頻繁に見られる現象です。