岡部駅の北口に降り立つと、白とブルーの鮮やかなカラーリングをまとったバスが目に入る。埼玉工業大学が長年研究を続けてきた先進の自動運転バスだ。研究室の実験車両という域を超え、地域住民の日常的な足として本格的な定常運航を行っている。
高齢化が進む地方都市において、駅と居住区、キャンパスを結ぶラストワンマイルの移動手段をどう確保するか。これは日本全国が抱える切実な課題だ。岡部駅前は、その回答を全国に先駆けて提示してみせた。乗車した70代の地元女性は「静かで揺れが少なく、時間通りに来てくれるから重宝しています」と笑顔を見せる。テクノロジーが過疎化の不安を温かく包み込む光景が、ここには日常として存在する。