夏になると「涼しそうだから」という理由で、全身の毛をバリカンで短く刈り上げるサマーカットを選ぶ飼い主が後を絶ちません。しかし、獣医学的な見地から見ると、サマーカットのデメリットの真相には重大なリスクが隠されています。
本来、犬の被毛は断熱材の役割を果たしており、外気の熱気や直射日光が直接地肌に届くのを防いでいます。バリカンで地肌が見えるほど短くしてしまうと、以下のトラブルが発生しやすくなります。
- 直射日光による皮膚温度の上昇:日光が直接皮膚に当たることでかえって体温が急上昇し、熱中症リスクが高まる。
- 紫外線ダメージと皮膚炎:強い紫外線によって日光皮膚炎やシミ、皮膚がんのリスクが増加する。
- 毛質の変質・発毛不全:ダブルコートの犬種(ポメラニアンや柴犬など)を短く刈り込むと、毛周期が狂い元の美しい毛並みに戻らなくなるケースがある。
被毛の手入れとしては、地肌を丸出しにするのではなく、アンダーコートをしっかりブラッシングで取り除いて通気性を確保することが最も安全で効果的です。