日常の調理において、最も根深い誤解の一つが「薄口醤油は味が薄いから体に優しく、塩分も控えめである」という思い込みです。
実際には、薄口醤油の「薄い」は色の淡さを指しており、関西風のうどん出汁や煮物で素材の色味を損なわないよう作られたものです。発酵を途中で抑えて色を薄く保つために、製造工程で濃口醤油よりも多くの食塩が投入されています。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」において、成人1日あたりの食塩摂取目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満(高血圧予防・治療の場合は6.0g未満)と定められています。大さじ1杯の醤油を使うだけで、1日の目標塩分量の約3分の1から半分近くを摂取することになります。
・濃口醤油 大さじ1:食塩相当量 約2.6g
・薄口醤油 大さじ1:食塩相当量 約2.9g
・減塩醤油 大さじ1:食塩相当量 約1.3g〜1.4g
健康や血圧を気にして薄口醤油をドバドバと使ってしまうと、意図せず塩分過多に陥る危険があります。塩分を確実にカットしたい場合は、薄口醤油ではなく、特殊技術で塩分だけを約50%除去した減塩醤油を選ぶのが正しいアプローチです。