保育所や認定こども園の現場において、自由遊びから一斉活動へ移る「朝の会」の導入は、保育士の腕の見せ所とされています。20人前後の2歳児が一斉に別々の行動をしているカオスな状態から、わずか1〜2分で全員を椅子に座らせ、前を向かせるプロのテクニックには明確な構造があります。
長年2歳児クラスを担当する主任保育士への取材によると、その秘訣は「動から静へのグラデーション設計」にあります。
「いきなり『静かに座りましょう』と声をかけても2歳児には響きません。まず『大型バスにのってます』や『かみなりどんがやってきた』のような体を大きく動かす歌で、全員のエネルギーを一度同じベクトルに向けます。その後、『トントン手はおひざ』『はじまるよったらはじまるよ』などの静かな曲へ繋ぎ、最後は全員で手を膝に置いて歌い終える。この3分間のシークエンスを踏むだけで、子どもたちは自発的に集中モードに入ります」(都内認可保育所・主任保育士の手記より)
家庭での寝かしつけ前にもこの手法は応用可能です。興奮している子どもに対し、まずは布団の上で軽くスキンシップを伴う手遊びを行い、徐々に子守唄のような優しいトーンの手遊び(『おふねがぎっちらこ』など)へ移行することで、副交感神経が優位になりスムーズな入眠へと導かれます。