犬の目が白く濁る原因は?核硬化症と白内障の違いや見分け方を解説

犬の目が白く濁る原因は?核硬化症と白内障の違いや見分け方を解説

犬の目が白く濁る原因は?核硬化症と白内障の違いや見分け方を解説に関する知りたいポイントをわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

インターネット上では「家庭でできる見分け方」として、暗い部屋で愛犬の目にペンライトを当て、光が奥まで通り抜けて眼底が反射(タペタム反射で緑や黄色に光る)すれば核硬化症、光が遮られて白く光れば白内障である、といった解説が散見されます。しかし、家庭内でのペンライト照射による自己診断は極めて危険であり、誤診のもとです。

瞳孔が十分に開いていない状態(無散瞳)で正面から強い光を当てると、光刺激によって瞳孔が瞬時に収縮(対光反射)してしまい、水晶体の深部を正確に観察することはできません。また、強い光を直視させること自体が犬にとって強いストレスや網膜への刺激となります。さらに厄介なのは、「核硬化症と初期の白内障が併発しているケース」です。ペンライトの光が通っているように見えても、水晶体の周辺部に重篤な白内障の混濁が始まっている見落としが臨床上多発しています。

犬の眼科専門医による診断基準では、散瞳薬(点眼麻酔や散瞳剤)を用いて瞳孔をしっかり広げた上で、以下の専門機器を用いた多角的な検査を実施します。

  • スリットランプ検査(細隙灯顕微鏡):細い帯状のスリット光を斜めから照射し、角膜、前房、水晶体のどの層(前嚢、皮質、核、後嚢)に混濁が存在するかを断面として立体的に観察。
  • 徹照法(てっしょうほう):検眼鏡を用いて眼底からの反射光を利用し、水晶体内の不透明な陰影の有無をシルエットとして浮き彫りにする。
  • 眼圧測定・眼底検査:白内障に起因するぶどう膜炎や緑内障、網膜萎縮などの重大な合併症の有無をスクリーニング。

動物病院の専門機器を用いれば、検査時間はわずか数分から十数分程度で済み、両者を100%近い精度で鑑別できます。「素人判断で放置していたら、実は急速に進行する糖尿病性白内障だった」という手遅れを防ぐためにも、濁りに気づいた段階での受診が唯一の安全策です。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。