低反発バット(新基準バット)が導入されてから2年が経過した。一発の長打で試合の流れを決定づける時代は終わり、各校の戦術は極限まで洗練されている。単打を連ねる確実性、ノーステップ打法によるコンタクト率の向上、そして一瞬の隙を突く盗塁やセーフティバント。これらを徹底したチームが勝利を引き寄せる構造が完全に定着した。
なかでも上位進出を狙う強豪校が力を注ぐのが「走塁の意識改革」だ。打球スピードが抑えられた分、内野手の守備範囲や送球速度への圧力がこれまで以上に増している。シングルヒット1本で二塁走者が生還するのは当たり前。ワンバウンドの隙を見逃さずに次の塁を狙う積極性が、得点力に直結する。守備側にとってもミスが命取りになるため、守備位置のミリ単位の指示やデータ分析によるポジショニングが試されている。