高川学園野球部を語るうえで欠かせないのが、前身である「多々良学園高校」の歴史です。多々良学園は昭和から平成初期にかけて山口県高校野球界を牽引し、気迫あふれる泥臭いプレースタイルで多くのファンに愛されてきました。
しかし、学校法人としての経営再建と教育環境の近代化を図るため、2006年に「高川学園高等学校」へと校名を変更。防府市台道の緑豊かな広大な敷地へとキャンパスを機能集約し、スポーツ振興と進学指導を両輪とする新体制へと舵を切りました。
校名変更直後は「伝統の多々良ブランドが変わってしまうのではないか」という懸念の声も一部にありました。しかし、グラウンドに根付いていた「一球への執念」「泥にまみれても最後まで諦めない闘争心」という精神的支柱は失われることなく、新たな指導メソッドとともに継承されたのです。
結果として、校名変更後も甲子園への切符を複数回獲得し、サッカー部やバレーボール部など他の強化指定部とともに「スポーツの高川」としての地位をより強固なものに再構築しました。過去の栄光に甘んじることなく、時代に合わせたアップデートを怠らなかった決断こそが、現在の黄金期を支える土台となっています。