失恋ソングといえば静かなバラードが連想されがちですが、ボカロ文化においてはアップテンポな失恋ソングも絶大な支持を集めています。速いBPMとアグレッシブなバンドサウンドで未練を吹き飛ばすアプローチは、失恋の悲痛なエネルギーを前向きな熱量へと変換してくれます。
和田たけあき(くらげP)の『チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!』のようなアイロニカルな疾走曲や、Neruの攻撃的なロックサウンドは、理不尽に終わった恋への怒りを発散するのに最適です。
また、ミリオン再生に届かずともコアなファンから「隠れた名曲」として崇められる作品も見逃せません。keenoが手掛ける『glow』や『drop』は、ダークアコースティックな音響処理と初音ミクAppendの繊細なウィスパーボイスが融合し、まるで夜雨の中に佇んでいるかのような深い没入感を与えてくれます。再生数という数字に囚われない名作の発掘こそ、ボカロ探訪の醍醐味と言えます。