オンエア直後から最も激論を呼んでいるのが、踏切を挟んだラストシーンの解釈だ。遮断機が上がったあと、二人はなぜ一度も振り返らずに逆方向へと歩き出したのか。関係者への取材によると、地上波カットとなった「未公開のテイク」が存在していたという。そこには、数秒間だけ立ち止まり、互いの足音に耳を澄ませる二人の微かな躊躇が収められていた。
だが制作陣は、その数秒をあえて削ぎ落とす決断を下した。「振り返らないことこそが、相手の未来を肯定する最大の愛である」。感傷に流されないその引き算の演出こそが、あのラストを凡百のハッピーエンドやバッドエンドから隔絶した、永遠のマスターピースへと昇華させたのだ。