玄関、寝室、仕事机。タグを配置した瞬間から、住まいは巨大なインターフェースへと化す。最も劇的な効果を上げるのが、来客時の「Wi-Fiパスワード共有」だ。長ったらしい英数字を用紙に書いて渡す時代は終わった。リビングのコースター裏に潜ませたタグへ相手の端末をタッチさせるだけで、ネットワーク接続プロファイルが読み込まれ、一瞬でネットへ繋がる。
日常のルーティンに組み込むなら、ベッドサイドの「就寝トリガー」が外せない。スマートフォンをかざした瞬間、翌朝のアラームが起床時間に合わせて設定され、翌日のスケジュールがリマインダーから音声で読み上げられる。さらに、車載ホルダーに仕込んだタグは、端末をセットした瞬間に音楽プレイリストを再生し、地図アプリを立ち上げて職場までのナビゲーションを開始する。
上級者が密かに実践している裏ワザが「トグル(状態切り替え)スイッチ化」だ。1回目のタッチでデスクライトを点灯させ、もう1回かざすと消灯する。タグ自体にスイッチ機構はないが、端末側の処理ロジックに条件分岐を噛ませることで、1枚の安価なシールが物理ボタン以上の役割を果たすようになる。