騒動の決定的な渦中となったのが、2001年に発表された作品『ダイアログ』である。対話をテーマにした同書の中で、他者の文章やインタビュー記録、既存の文献からの無断引用や酷似した表現が多数存在することが外部からの指摘によって発覚した。
単なるアイデアの模倣にとどまらず、文章の構造や具体的なフレーズまでが極めて類似していた点に批判が集まった。指摘を受けた著者は一部の類似性を認めつつも、意図的な盗用ではなくリサーチ記事や取材メモの混入、あるいは引用の境界に関する認識不足であったと釈明。しかし、検証が進むにつれて批評家や読者の不信感は決定的なものとなり、作品の絶版や一部改訂といった異例の措置へ追い込まれることになった。