中松氏を単なるタレント発明家と一線を画す存在にしているのが、国際的な名声と、命の危機に直面した際に見せた凄まじい執念です。
2005年イグノーベル賞(栄養学賞)の受賞理由
「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られるノーベル賞のパロディ、イグノーベル賞。中松氏は2005年、栄養学賞を受賞しました。その授賞理由は以下の通りです。
「34年間(当時)にわたり、自分が口にしたすべての食事を写真に記録し、食べたものが脳の働きや体調にどのような影響を及ぼすかを克明に分析し続けたこと」
この研究は、スマートフォンやライフログアプリが影も形もなかった1970年代から、フィルムカメラを用いて毎日欠かさず続けられたものです。ハーバード大学で行われた授賞式に燕尾服で登壇した中松氏は、流暢な英語で会場の爆笑を誘い、スタンディングオベーションを浴びました。この一件は、彼の「奇行」の裏に潜む常軌を逸した継続力と実験精神を世界が公式に認めた瞬間でした。
「余命2年」からの生還劇と2026年現在の年齢
2014年、中松氏は自らが前立腺導管がん(悪性リンパ腫の一種とされる進行性がん)に侵されており、医師から「余命宣告は2015年末まで、もって2年」と告げられたことを公表しました。会見場で車椅子に乗りながらも、彼は「自分を実験台にしてがん治療の新発明を生み出す」と宣言。
抗がん剤や放射線治療といった標準医療を受けつつも、自ら考案した「がん撲滅十種の発明」(免疫力を高めるとされる特製スープ、磁気振動を与える健康器具、精神集中メソッドなど)を実践しました。結果として、2015年末の期限を何事もなく生き延び、がんを克服・共生したことを発表して社会を驚嘆させました。
1928年(昭和3年)6月26日生まれの中松義郎氏は、2026年現在、満97歳(2026年6月の誕生日で98歳)を迎えています。高齢のため車椅子を使用する場面が増えたものの、都内の「サー・ドクター中松発明博物館」の運営や、公式X(旧Twitter)での「発明言論」の発信、各種記念イベントへの登壇など、そのバイタリティは2026年の今なお健在です。