ネット上の考察や議論において、猗窩座の能力や行動理念に関してしばしば誤認されているポイントが存在します。ここでは客観的な作中描写に基づいて、代表的な誤解を是正します。
誤解1:猗窩座は「弱者を心から見下し、虐殺を楽しんでいた」のか?
作中で猗窩座は「弱者が吐き気がするほど嫌い」「強者のみを尊ぶ」と豪語していました。しかし、その真相は他者への蔑視ではなく、「弱かったせいで父親も、師匠も、愛する恋雪も守れなかった自分自身に対する激しい憎悪」の裏返し(投影)でした。無惨によって記憶を奪われた結果、自己嫌悪の刃が外向きの「弱者嫌悪」へと歪んで発露していたに過ぎません。
誤解2:女性を喰わなかったのは「単なるフェミニズム」だったのか?
上弦の鬼の中で唯一、猗窩座は「女性を一切喰らわず、殺害もしない」という特異な誓約を貫いていました(このため上弦の弐・童磨よりも栄養摂取効率が落ち、序列で後塵を拝す要因となりました)。これは理屈や倫理観によるものではなく、肉体が本能レベルで「恋雪以外の女性を傷つけることを拒絶していた」ためです。無惨からもその特異性を黙認されていたという公式設定は、彼の魂が完全に鬼に染まりきっていなかった証左です。