耳馴染みのない他地域の人からすると不思議な響きを持つ「めばちこ(目バチコ)」ですが、その語源にはいくつかの有力な説が伝わっています。当て字としての漢字表記は「目鉢子」と書かれることが一般的です。
最も有力視されているのが、まぶたの腫れによって「目をパチパチ(バチバチ)させる」という動作に由来する説です。目の縁に炎症が起きて瞬きが不自由になり、目をしばしばさせる様子から「目パチ」が転じて「めばちこ」になったという見解です。関西弁特有の「親しみを込めて語尾に『こ』を付ける愛称化(例:飴ちゃん、茶の子)」が加わり、現在の形になったとされています。
もう一つの説は、解剖学的な見立てに由来するものです。目の周囲や眼窩(がんか)の骨をすり鉢状のくぼみに見立てて「目鉢(めばち)」と呼び、その縁にできた小さなしこり(子)を指して「目鉢子」と呼ぶようになったという考え方です。いずれの説にせよ、民衆の鋭い観察眼と豊かな言語感覚から生まれた言葉であることは間違いありません。