「本当は、ひらひら揺れる布地を身にまとって歩きたいだけなんです」——そう話す都内の高校に通う男子生徒の言葉には、装飾のない静かな覚悟が宿る。彼らにとってスカートを履くことは、決して奇抜なアピールや一時の流行ではない。肌に触れる質感やシルエットへの純粋な嗜好であり、あるいは自らの内面と外見を一致させるための必然的な選択だ。
しかし、当事者たちが抱える恐怖は深い。「変な目で見られるのではないか」「友達を失うかもしれない」という懸念が、感情の吐き出し口を塞ぐ。周囲の「男のくせに」という冷ややかな一言が、アイデンティティを根底から揺さぶることもある。自己否定と承認欲求の間で揺れる彼らの本音に、大人はどこまで耳を傾けられているのだろうか。