泥臭く泥沼の戦場を生き抜いてきた飛信隊もまた、数々の尊い犠牲を払ってきた。隊の設立当初からの仲間である尾到の死は、幼馴染でもある信の心に深い傷を残すと同時に、隊長としての覚悟を芽生えさせた。
朱海平原の激戦では、後輩たちを命がけで守り抜いた松左や去亥の戦死が記憶に新しい。自分の命と引き換えにしてでも仲間を逃がす姿勢は、飛信隊という極限の共同体が培った強い絆の証しである。
最前線で血を流す兵たちの屍の上に立ち、主人公の信は大将軍への階段を上り続ける。身内を失う痛みを糧とし、受け継いだ意志を背負って突き進む姿こそが、本作品の真の醍醐味と言えるだろう。