近年の商業コミックシーンを見渡せば、白と黒のコントラストを極限まで高めた作品群が圧倒的な支持を得ている。株式会社集英社の『週刊少年ジャンプ』などで連載される『呪術廻戦』や『チェンソーマン』はその筆頭だ。作者である芥見下々氏をはじめとするトップランナーたちは、粗々しくも計算し尽くされた線画と強烈なベタ面によって、キャラクターの緊迫感や異彩を放つ魅力を表現している。
これらの作品に登場する男性キャラクターたちは、単に容姿が整っているだけではない。影の落ち方ひとつで一瞬にして冷酷さや切なさを漂わせる。劇的な影のコントラストと、動きを感じさせる線の勢いが噛み合うことで、紙面から飛び出さんばかりの肉体美とキャラクター性が立ち現れるのだ。商業漫画の最高峰で培われたこの視覚表現は、個人のイラスト制作における線画テクニックにも多大な影響を与えている。