皇室ゆかりの料理人が仕立てる献立には、一般の流通には乗らない特別な食材と、門外不出の仕込み技術が息づいている。例えば、煮物に使われる昆布や鰹節は、何年も熟成させた蔵囲い昆布や一本釣りの本枯節を厳選。透き通るような黄金色の出汁が、すべての具材に均一な命を吹き込む。
伝統的な「三つ肴」である黒豆、数の子、田作りも別格だ。丹波篠山産の極大粒黒豆を鉄鍋で数日間じっくりと含め煮にし、シワひとつなく漆黒に輝かせる。田作りには銀色に輝く最高品質のごまめのみを選り分け、絶妙な火加減で香ばしさを引き出す。ひと口ごとに広がる重層的な旨味は、妥協なき職人技の結晶である。