古くから囁かれる「夏は化膿しやすい」という説には、半分正しく、半分誤解が含まれている。気温や湿度の上昇そのものが直接ホールを腐敗させるわけではない。問題は、汗の成分とそれに伴う雑菌の繁殖スピードにある。
汗自体は無菌に近い状態で分泌されるが、皮膚表面に放置されると皮脂や垢と混ざり合い、黄色ブドウ球菌などの常在菌にとって絶好の温床となる。さらに汗に含まれる微量の塩分は、開けたばかりのデリケートな傷口を刺激する。これが炎症の引き金になるケースは後を絶たない。
海水やプールの水も同様に警戒が必要だ。海水には海洋性細菌が存在し、プールの水には塩素が含まれている。未完成のピアスホールは皮膚が欠損した開放創であり、こうした環境水に浸かる行為は、自ら細菌感染の引き金を引くようなものだ。リスクの正体を正しく知れば、何を避けるべきかは自ずと見えてくる。